2007年09月23日

深夜映画メモ

『スクリーム』
蓮実重彦はウェス・クレイヴンのホラー(これや『エルム街の悪夢』)がずいぶんとご贔屓のようだ。それはおそらく差別意識の裏返しでもあろう(「子供だましのホラーなんぞくだらない、それにしちゃ面白いことやってるじゃないか」)。ロラン・バルトが「アクロイド」に言及したりするようなもんだ(弟子筋は真に受けて推理小説の「叙述」やら「メタ性」やらを生真面目にブンセキしたりしてるが、根本的にバルトは推理小説を馬鹿にしていた人である)。

『ドーン・オブ・ザ・デッド』
これのリメイク元であるロメロの『ゾンビ』は、意図はわかるにしても、長すぎる(二時間超)のが玉に瑕だった。だからといって、ただ短縮すればいいというものでもない。ロメロの作が意図していたであろう「異常なる日常」の描写が、時間節約によってただのギャグになってしまっている。
とはいえ、一時間四〇分程度の気軽なホラー映画としてはそこそこ楽しめる。

『テイラー・オブ・パナマ』
「プリンス・マルコ」風の話を『ハバナの男』(グレアム・グリーン)風に処理しているわけだが、当然ながらぎくしゃくしている。ル・カレ(原作、脚本)は冷戦後の世界を何かの冗談のように思っているかもしれないが、事実はそう単純ではあるまい。眉唾的な単純さがジョン・ブアマン(監督)の資質ともいえようが。ちなみにわたくしはグリーンのスパイ小説では見え透いた風刺小説の『ハバナの男』より、『スタンブール特急』などのほうがはるかに好きだし文学的価値もあると思っている。
ところで、『スクリーム』でも言及されていたジェイミー・リー・カーティスがここではインテリ女性を演じているが、シガニー・ウィーバー(ホラークイーン→インテリ役)の後を追うイメージなんだろうか。あるいは『ワンダとダイヤと優しい奴ら』あたりからの流れか。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。