2008年01月12日

「こどもの詩」

 読売新聞で連載している「こどもの詩」、1月6日の回より。


  はがぬけたよ

  はがぬけたよ
  はがぬけてうれしい
  でもいたい
  ぬけたはで手をつっついてみた
  いたかったよ
  これが草しょくきょうりゅうの
  きずのいたみだとおもう



   恐れをしらぬ恐竜だって、生きてい
  たときは、歯がぬけたら、きっと痛か
  ったんだろうなあ。   (長田弘)


 ごらんのとおり、この詩のみどころは、抜けた自分の歯で自分の手を突いてみた体験から「(肉食恐竜に噛み砕かれる立場の)草しょくきょうりゅうのきずのいたみ」へと空想をふくらませる部分である。おそらく絵本か何かで生物の食物連鎖について知ったことが念頭にあったと思われる。にわか仕込みの知識をもとに、卑近な体験と壮大なテーマを空想でじかに繋げてしまうところが、いかにも子供らしくもあり科学的でもあるおかしさである。この場合、恐竜の歯が抜ける痛みのことはあんまり関係ない。そもそも書かれてもいない。
 厳密に読み解くなら、「歯が抜けることも痛いが歯に噛まれる側の動物だって痛い、どんな生物も何かしらみな痛みを有しているのだ」といった万物への哀れみが主題になっている作品といえなくもないから(といっても作者は小学一年だからそこまで主題を明確に意図していたとは考えにくいが、結果としてそうした主題の作品になっていると読むことはできる)、そこまで読んだうえでなら「恐竜だって〜歯がぬけたら、きっと痛かったんだろうなあ」とのコメントが出てきてもあながち的外れともいえぬが、この連載を毎回見ていると長田弘という人のコメントは子供の感性にたいし鈍感すぎるのが通例ゆえ、怪しいものである。
posted by namiki | Comment(0) | TrackBack(0) | Trash

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